ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!

2021年06月05日 土曜日

スティーヴン・クォーレ監督、リュック・ベッソン製作・脚本、サリバン・ステイプルトン主演の2017年のフランス・ドイツ合作映画「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!(Renegades)」

1995年。マット・バーンズ率いる五人組のネイビー・シールズはサラエヴォでの紛争で将軍を拉致した。
作戦後。バーのウェイトレスのララ・シミッチと付き合っていたネイビー・シールズのスタントン・ベイカーは彼女から第二次世界大戦でナチスが隠した金塊の話を聞き出す。
ララ・シミッチは自国の再建の為にその金塊が欲しがっており、ネイビー・シールズの五人は莫大な金額に惹かれて協力を申し出た。
ただ、将軍の部下がネイビー・シールズへの復讐を狙って彼らを追い続けていた。

Amazon プライムビデオで配信が終わりそうなので、題名だけで内容が大体把握出来てしまうので、ほぼそれだけの前知識で見た。

始まりの将軍の誘拐からの戦車での無茶苦茶やり放題が結構おもしろく、ここで掴まれたのにそれ以後は金塊回収作戦までの説明が長くて飽き始め、金塊回収作戦も何処かで見た様な典型的な展開ばかりで弾けず、結局まぁるく納まってしまって物足りなさが残る映画になってしまい、エンド・クレジットでリュック・ベッソンが製作・脚本に入っていて、だから…と気付く映画だった。

始まりの将軍を拉致するのは素早く確実に作戦を遂行するワクワク感があったし、戦車での暴走もハチャメチャでアクション映画としておもしろかったのに、派手で馬鹿っぽいアクション映画としてはここまでで終わってしまう。

そこから金塊の出自の説明と、どうやって金塊を回収するかの作戦立案になり、急に展開がゆっくりになってワクワク感が一気に無くなる。
見所の始まりと金塊回収作戦までのここら辺の繋ぎ部分はもっと上手い事見せれる様な気がしないでもない。
派手な場面が少ないからかヘリコプターでの現場視察の時に敵の戦闘機との戦闘になるけれど、これって両陣営が相当大事になるんじゃないの?

この作戦立案では酒に浮いた氷を見て水中に空気を送り込む案を思いついたのがよく分からなかった。
酒に浮いた氷だから金塊を空気で浮かせて水面まで持ち上げるなら分かるけれど、何故これで水中に空気を溜める事を思い付く事になるんだろう?

で、終盤でやっと金塊回収作戦になるのだけれど、これがクリシェばかり。
金庫に辿り着くと金塊は無てガッカリするけれど、実は別の場所にある。
金塊を浮かそうとすると空気が足らず、一人が探しに行くが酸素ボンベを背負っていると通れない場所があるので素潜りで息を止めて泳ぐ。
金塊を浮かそうとする時になると丁度敵がやって来る。
ネイビー・シールズは真面な武器が無く、敵に追い詰められた状況にデウス・エクス・マキナ的に支援が来て一気に敵を皆殺し。
正直、こんな展開ではワクワクするモノもワクワクせず、一番盛り上がらないといけない部分が大して盛り上がらない。

最後の金塊やネイビー・シールズの扱いが綺麗にまとまって終わるのも映画が終始コメディ的だとすんなりと入って来るのに、時々、少々コメディ的になるだけなので出来過ぎ感や都合良過ぎ感が出てしまう。

リュック・ベッソンが製作・脚本している割には説明不足過ぎとか、あれはどうなったの?あれは何だったの?が余り無いのは、脚本にもう一人リチャード・ウェンクという人が入っていたり、リュック・ベッソンが監督していないからなのかなぁ?

この映画、初めの戦車のド派手な馬鹿っぽいアクション映画で行くのかと思いきやそうでもなく、ナチスやサラエヴォの残酷な軍人はあくまで悪い奴という分かり易い敵だし、金塊回収作戦はそれ程盛り上がらずで、派手なアクション映画にも、歴史を絡めた娯楽作にも、制限された中での作戦やそこからの脱出のサスペンス映画にも、どれにも成り切れず、弾き切れずで、やり方ではもっとおもしろくなるはずだったと思ってしまう映画。

☆☆★★★

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