コマンドー
2013年11月30日 土曜日ジョエル・シルバー製作、マーク・L・レスター監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1985年の映画「コマンドー(Commando)」。
元コマンドーで、今は山奥で静かに娘と共に暮らすジョン・メイトリックスが、かつての部下達が次々と殺された事を知り、その後すぐさま娘を誘拐され、悪者達によって南米のとある国の大統領暗殺に協力させられそうになるが、娘を救う為に彼の暴走が始まる。
アーノルド・シュワルツェネッガーがコナンシリーズや「ターミネーター」での寡黙で恐ろしさを持った役柄から、良い人で正義と言うの名の元に突っ走る筋肉野郎路線への方向転換を図った映画。
アーノルド・シュワルツェネッガーの登場場面は顔からでなく、まず腕のふっとい筋肉からという、この映画が何なのか余りにはっきりした説明から入る所に変に感心。その後、きっちりカメラに対して正面に向き演技をし、娘とアイス食べ、拳法を教え、鹿に餌やるシュワちゃんと、きっちり過ぎる程の説明場面の連続でニタッとしてしまう。これだけでなく全編、非常に分かりやすい演出と構成。それ以降は、何故同行して来るのかさっぱり分からない黒人女性と共に、シュワちゃんも敵も何か問題が起きれば殴る、蹴る、撃つの暴力で乗り切り、兎に角殺しまくってめでたしめでたしというだけの映画。1970年代頃から出て来た、所謂B級ハリウッド・アクション映画。
しかし、電話ボックス投げ飛ばし、ミサイルランチャーを持っている町の銃屋から買ったミサイルランチャーを街中でぶっ放し、最後のシュワちゃん一人対敵百人位なのに、決して撃たれずに、弾がかすりもせずに延々と続く銃撃戦とか、もうケタケタと笑ってしまう要素がタップリで楽しい。一番笑ったのは、最後の元部下との一騎打ちになる時、その敵がナイフかざし「And I’ll kill you now!」と凄い顔で襲い掛かる所。その顔と勢いに笑ってしまった。
この馬鹿さ加減はと思ったら、製作はジョエル・シルバーで、彼が作った映画会社シルバー・ピクチャーズの二作目。そりゃこんな感じになるわな。
如何にも1980年代のとにかく撃ちまくって、とにかくぶち壊す、とにかく大爆発な、難しい事はガタガタ言わずにアクションと銃撃を楽しめと大声で言うアクション映画。無茶苦茶する頭の悪い感じ満載で、アクション映画の醍醐味はこれ。最近のアクション映画は小難しくしがちだけれど、底抜けな馬鹿爆発でアクション映画のお手本的映画。考える必要も無くヘラヘラして見れば楽しさ一杯。
☆☆☆★★