ノックは無用

2013年06月27日 木曜日

マリリン・モンローリチャード・ウィドマーク共演の1952年の映画「ノックは無用(Don’t Bother to Knock)」。シャーロット・アームストロングの小説「ノックは無用(Mischief)」が原作。

ホテルに子守で呼ばれたマリリン・モンロー。ホテルのバーの女性の歌い手に別れを切り出されたリチャード・ウィドマーク。お互いの部屋が窓から見た向かいで知り合い、リチャード・ウィドマークがマリリン・モンローの部屋に行き、二人の関係が始まるが…。

二人の話が別々に進み、恋愛映画なのか何なのかよく分からないフワフワした感じのまま進むけれど、マリリン・モンローの微妙に変な感じや躊躇い傷を見せると、徐々にサイコパスなサスペンスな雰囲気に。「何だろう?」で結構引き込まれるけれど、物語の展開が遅過ぎる。この映画1時間15分位しかない中編映画なのに、二人が会うのが40分位過ぎで、サスペンスとしての物語が動き出すのが後半も後半。殺人事件になるのかと思いきや単なる気絶だし、全体的にまったりし過ぎだし、話が温い。これだけ短い映画なのに、物凄く切れが悪い。

マリリン・モンローの印象と言うと、「セックスシンボル」「お色気担当」だけれど、この映画のマリリン・モンローは当時は26歳なのに素朴な少女っぽく、この控えめな感じが物凄く可愛い。メチャメチャ可愛い。だけれど、中盤からは色気を強調する様な薄着に変身したり。それにこの役柄の生い立ちや微妙な精神的不安定さが、本当のマリリン・モンローを反映しているかのようで怖さと哀しさがあり中々良いのだけれど、ただ演技が如何にもこんな役ですよ感が前に出過ぎていて、わざとらしい感じもあるけれど。

この映画で不思議だったのが、ホテルの客室の壁に付いているスピーカー。このスピーカー、どうやらバーで歌っている歌が流れて来る様で、全ての部屋に付いているよう。これ何だ?この当時のアメリカのホテルでは当たり前にあった設備なんだろうか?

この映画、マリリン・モンローの不安定さや自殺志向なんて本人のそれまでやこれからを暗示する様な感じで、そこでは非常にサスペンスフルだけど、映画自体としては間延びした感は否めず、出来としては微妙。終わりも何かしょうも無いし。しかし、やっぱりマリリン・モンローは演技はいまいちでも光っている。

☆☆★★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply