シャレード
2012年07月27日 金曜日オードリー・ヘプバーン、ケーリー・グラント共演の映画「シャレード(Charade)」。
富豪の妻オードリー・ヘプバーンが離婚を考えながら家に帰ると家はもぬけの殻で、夫が謎の死を遂げた事を知るが、彼が本当は何をしていたかを知らず、陰謀に巻き込まれて行くサスペンス映画。
サスペンスとしては、話は二転三転して中々おもしろいのだけれど、一場面一場面がまったりしていて、どうなるのかの緊迫感やハラハラドキドキ感が余り無い。迫る追手は、勝手にバタバタしていて何だか間抜けに見えるし、結構彼らと普通に一緒に行動していて、恐ろしい程脅迫される訳でも無いし、恐怖や不安の盛り上がりがもっちゃりし過ぎ。それにオードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントの二人は、特にケーリー・グラントは何が起きても焦りもしないので、やっぱりサスペンス感は盛り上げられない。
あと良く分からないのは、オードリー・ヘプバーンがその夫とどう出会い、結婚したのかが一切描かれないので、どうも話に入って行けない。相手が何者で、何をしていたのかを一切何も知らないなんて、どんな付き合いをしていたのか?
恋愛の部分は、紳士っぽいとは言え、見ず知らずの60過ぎに見えるおじいさんのケーリー・グラントと、すんなり異性として仲良くしているオードリー・ヘプバーンに違和感を感じる。それに何処で、何で彼に惚れたのかさっぱり分からない。同時翻訳しているオードリー・ヘプバーンの首筋に、ケーリー・グラントがキスしまくる場面の醜悪さと言ったら…。その場面の前後は手掛かりを探し、考えている場面で、そんな場面入れる必要も無いのに。
オードリー・ヘプバーンは上手く行ってなかったとは言え、夫が殺され、それに関する事件に巻き込まれているのに、相手が犯罪者かもしれないと思っていても相手を誘う、何時でも発情期な尻軽女。いつもオードリー・ヘプバーンの映画は、相手役は老年に見える大分年上のおっさんで、オードリー・ヘプバーンはその相手にホイホイ着いて行く腰軽で、同じ設定ばかりで飽きて来る。
それに、サスペンスをしているのに、笑いありの恋愛も差し込んで来るので、サスペンスとしても、恋愛としても、コメディとしても非常に中途半端。どれもがバラバラ。無理矢理恋愛を挟み込まなくても良いのにと思えてしまう。
それにまたもや舞台はフランスで、フランスなのに主要人物は誰もが英語で喋る。
オードリー・ヘプバーンは34歳だけれど、今の34歳からするとちょっと老けて見えるけれど綺麗。役柄的に何時もの、若々しく、ちょっと少女っぽい無邪気さを持った役。後家さんの上、サスペンスなのに、毎度こんな役ばかりで飽きて来た。
ケーリー・グラントはサスペンス映画としては、何かを隠す渋いおっさんで良いのだけれど、恋愛映画としては、30代の女性のオードリー・ヘプバーンの相手役としては、60のおじいさんはきっつい。
この映画に出て来る人物達はそんなにカッコ良くは思えないのだけれど、一番カッコ良いのは切手屋の主人だたったりする。
始まりが「007」みたいな凝った映像なんだけれど、それ以降はそんなにお洒落でもない。そのお洒落な唯一の要素は、オードリー・ヘプバーンの衣装。なんだけれど、家帰ったら全く何も無く、持っているのはスーツケース一つ位なのに、場面が変わる度に別の服着ているのはどうしたのだ?映画的な着せ替えカメラな出来過ぎ感。
あと、ノーカット版だと思うけれど、音楽が鳴り出したのに、ブッツリと切る編集してあるのは何なのだろう?
サスペンスとしてはそれなりの話なのに、その緊張を維持させない、ぶった切る様な、おじいさんと30代女性の全くしっくり来ない恋愛話を所々で入れ込んで来るので、非常に中途半端な仕上がりになってしまっている。
オードリー・ヘプバーンの映画って、コメディでも、サスペンスでも同じ様な役柄で、相手はおじいさんなのに惚れると言う毎度の繰り返しの様で、いい加減飽きた。
☆☆★★★