御用金
2012年04月06日 金曜日仲代達矢、中村錦之助、浅丘ルリ子、丹波哲郎、田中邦衛、東野英治郎、西村晃等々有名俳優が大勢出演している映画「御用金」。
俳優は良いのに、何だか安っぽい。映像的にちゃんと外での撮影だしきっちり撮っているのに、照明的な嘘臭さや、効果音や音楽はこの時代的なモノもあるのかもしれないが安っぽく、凄くTVドラマ臭さがする。前衛的な構図や、早い編集なのに退屈してくるのは何でなんだろう?その映像的な見栄えを追って印象的にしているけれど、狙い過ぎの割には特に意味の無い場面が多いからか。それにやたらと説明台詞で話が進むのも白ける所。映像で見せたいけれど、台詞ばかりで説明していてどっちつかずで微妙過ぎる。狙った映像は非常に早い構成なのに、人が話し出すとそれが遅くなり退屈になってしまう不味過ぎる構成と演出。殺陣は良いのだけれど、効果音が安過ぎるので、非常にしょっぱい感じになってしまっている。刀や槍で刺すと「ズキューン」と銃撃音みたい音がするのには呆れてしまった。声もアテレコなのか、口と合ってなかったり、浮いていたりも。
役者は、毎度の鬼気迫る演技と恐ろしい目力の仲代達矢、軽い感じで仲代達矢との落差で前に出て来る中村錦之助、蓮っ葉な姉貴浅丘ルリ子と皆流石な演技。ただ丹波哲郎が出て来ると急に安っぽさが倍増する。
それと福井の武士なのに、やっぱり江戸の武士の時代劇口調なのは気になる所。浅丘ルリ子の口調が江戸っ子過ぎて喋る度に笑ってしまう。
二時間以上あるのに脚本は抜けが多い様に思えるし、映像的な奇抜さを狙っているけれど何目線で何をしたいのか良く分からない場面が多々あり、俳優達は良いのに監督・脚本の五社英雄が足を引っ張っている感が強く、俳優達の力で持っている映画。
☆☆★★★