逃亡者
2012年02月27日 月曜日主役はハリソン・フォードで、この時点でも大物俳優なのだけれど、その主役を喰ってしまった感があり、これで一気に有名になり、1993年の第66回アカデミー助演男優賞をこれで取ったトミー・リー・ジョーンズに目が行く映画「逃亡者(The Fugitive)。
この映画はもうTV放送の常連だけれど、していると毎度みてしまう。やっぱり展開と言い、どちらも主役と言って良いハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズの二人から目が離せない。逃亡者になるまでの小気味良い流れと、その後の逃亡者なんだけれど事件を解明しようとする追跡者でもある逃亡者の設定、更に彼を追う執念と理解ある追跡者と、追跡者チームの減らず口な会話劇等々楽しいし、本当にワクワクする。ハリソン・フォードが特殊なスパイじゃあなく、普通の人が思いつく出し抜きや紛れ込み、捜査活動を行ない事実を探り出し、追跡者チームもちゃんと皆で追い駆け、事件の真相に近づき追い詰めて行く展開は、逃亡者と追跡者両方の見せ場、盛り上がりがあり、更に二人がギリギリですれ違い、逃げ切る展開なんてたまらない。唯一最後が如何にもハリウッド映画的な、そんなのいらんだろうという殴り合いになるのはいただけないが。
ハリソン・フォードは医師という設定もあり、何時ものヒーローじゃあなく、惑う普通の良い人で、困った、疲れた顔が良い。確かにこの人物設定と脚本の勝利でもあるのだけれど、ハリソン・フォードって1980~1990年代には物凄く作品に恵まれていたし、作品選びも抜群。
トミー・リー・ジョーンズも、主人公の敵であるけれど理解者でもあるという設定の勝利でもあるのだけれど、飄々として鼻持ちならない敵だったのが爽快な人物になって行くのは最高に気持ち良い。トミー・リー・ジョーンズが別の映画やCMでも度々演じる、気難しくて、ぶっきら棒だけと豪快に笑う本当は優しく爽快な人物って、これの影響が強過ぎるんだなぁ。
引き離さず、ダレる事無く最後まで一気に見せる展開と、バンバンに人物が立って、ほとんど出会う事は無いのにギャンギャンにやり合うハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズが見せまくる、非常に良く出来た娯楽映画。多分、これから後も何回も見るんだろうなぁ。
☆☆☆☆★