DOOM
2024年03月25日 月曜日アンジェイ・バートコウィアク監督、ザ・ロック主演の2005年のアメリカ・イギリス・チェコ・ドイツ共同制作映画「DOOM(DOOM)」
2026年に地球で火星の古代都市へと一瞬で移動出来るポータルが発見されアークとして活用され始めた。
20年後、ユニオン・エアロスペース・コーポレーションが火星で研究施設を運営していたが、その施設から海兵隊に救助要請が送られ、八人の海兵隊員が火星へと向かった。
わたしは「Doom」はセガサターンで「1・2」がカップリングになったのをして、多分それがFPS初体験のゲームだったはずで「Doom」は結構思い入れがある方。
その後のDoomシリーズはしておらず、「1・2」の知識でこの映画を見てみたらゲームとは大分違う感じで、セットとか敵とかの雰囲気的にどうやら2004年に発売された「Doom 3」を基にした映画になっているよう。
その映画は全体的には良く言えば王道。悪く言うと在り来たりな限定された空間での謎生物対人間モノでそんなにおもしろくはないのだけれど、終盤での展開とか演出が何かおもしろくて最後までそれ程退屈もしなかったし結構おもしろい気がした。
一番初めで火星まで行って一気に話を進めて、ここら辺の展開の早さは良かったけれど、序盤は施設の通路や部屋とか坑道とかを移動しては何かがいる!?の展開が結構長く、敵が出て来ても造形が微妙だし、敵は銃の弾数発で死んでしまうのに人側があっさりやられ過ぎで盛り上がりには欠けていた。
ただ、この感じって如何にもホラーFPSの序盤の感じだし、セットもFPSっぽくて、ホラーFPSとしてみるとそんなに悪くは無い感じで見ていた。
で、終盤になり、色々と急に方向転換するおもしろさでちょっと笑ってしまった。
これまでずっと部隊のリーダーでこの映画の主役だと思っていたザ・ロック演じるサージが「誰に感染しているのか分からず、地球に広がると危険だから研究員はとにかく皆殺しにしろ!」と言い出して悪役化し出し、初めは一人の隊員でちょっと設定がある脇役だと思っていたカール・アーバン演じるジョン・グリムが正義のヒーローとなり主役化して、終盤で主役の交代劇が起こった。
この当時の知名度的にもこの映画での扱われ方としてもザ・ロックの映画かと思いきや、最後に主役が敵になってしまう展開はおもしろかったし、この展開は好き。
しかも、サージは感染してパワーアップし、ジョン・グリムも遺伝子打たれて超人化して、ハリウッドのアクション映画でのお決まりの最後の主役と悪役の殴り合いはスーパーヒーローのアクションみたいな素早さや吹っ飛び具合になって、結局「Doom」関係無くザ・ロック対カール・アーバンのアクションモノの印象で終わってしまうおもしろさ。
更に、ジョン・グリムが瀕死の重傷となり、それを救う為に遺伝子打たれて意識を取り戻すと何故かそこからFPS視点。映画だとPOV(Point of View)ショットになり、通路を進んで角を曲がると敵がいるので銃で撃つとか、横から敵が急に現れて殴り飛ばすとか、本当にFPSのゲームをやり始める。
これは流石に今までの結構深刻な流れをぶった切って悪ふざけを始めてしまったので笑ってしまった。
おもしろかったのだけれど当時の技術だからか予算なのか、この一連のFPS場面は安っぽい感じがあり、きっちりカメラを振って敵が現れて倒すの繰り返しがぎこちない感じだし、全体的に映像が前に寄っていると言うか視野角が狭い感じがして、折角の悪乗りFPS場面の迫力が削がれていた感じがしてしまった。
途中でサージが研究施設で開発された新型のエネルギー武器でゲームでお馴染み「BFG(Bio Force Gun)」を手に入れてワクワク感を出すんだけれど試し撃ち位でほぼ活躍や見せ場が無く、出すならちゃんと派手な見せ場が欲しかったし無駄に使っている感じが勿体無かった。
ドウェイン・ジョンソンと言えば今ではハリウッドのトップスターになり、出る映画は物凄い予算の超大作の常連の感じだけれど、俳優初期はこんなB級感溢れる映画の主役だったのねで見れそうで、多分WWEのレスラー名義と同じザ・ロックはこの映画まで?
この映画、「Doom」の映画化とか、ザ・ロックやカール・アーバンが出ているとかおもしろくなりそうな要素はあるのに微妙なよくあるB級サスペンスホラーになってしまった感じで色々と勿体無い。
「Doom 3」じゃなくて最初の「Doom」とか、2010年代以降の「Doom」の方を基にしたら、地獄のポータルからモンスターがワラワラと出て来て、それを次々と撃ち殺して行く良い意味で馬鹿アクション映画になりそうで、それこそ今のドウェイン・ジョンソンで作り直したら無駄に大作の映画になっておもしろそうな気がしてしまった。
☆☆☆★★