ランペイジ 巨獣大乱闘

2022年02月20日 日曜日

ブラッド・ペイトン製作・監督、ドウェイン・ジョンソン製作総指揮・主演の2018年のアメリカ映画「ランペイジ 巨獣大乱闘Rampage)」
1986年に稼働したアーケードゲーム「RAMPAGE」が原作。

元アメリカ特殊部隊員だったデイビス・オコイエは霊長類学者となってアメリカの動物保護地区でゴリラの研究をしており、体毛が白いゴリラのジョージとは手話を使って意思疎通を行なっていた。
ある日、エナジン社が遺伝子実験を行なっていた宇宙ステーションで実験動物が暴れ出した為、研究員は遺伝子サンプルを持って脱出しようとするが脱出ポッドが破壊して遺伝子サンプルは地球に落下した。
アメリカ各地に落ちた遺伝子サンプルは容器が壊れて遺伝子サンプルが周囲に噴霧され、狼とワニ、そしてゴリラのジョージが遺伝子サンプルを吸収してしまう。
そのジョージは徐々に巨大化し凶暴性を出し始める。
エナジン社は事態を収拾しようと傭兵を派遣するが巨大化した狼は暴れ出し、ジョージも暴れ出した為政府機関がジョージを捕獲するが逃げ出し、巨大な三頭はシカゴを目指して移動し始めた。

ゲームの「RAMPAGE」は知らなかったけれど、調べて見てみたら巨大な生き物がビルをぶっ壊すと言うノリと勢いで作った様なバカゲーで、それを巨額の予算をかけてそのまま真っ直ぐに作った様なのがこの映画で、この巨大生物が暴れると言う潔さも相まって結構おもしろかった。

ちゃんと序盤でドウェイン・ジョンソンとジョージの意思疎通を見せて人間と動物のドラマも描きつつ、ハチャメチャなモンスター映画もやっていて、これをちゃんとまとめながら話的にも画的にも見せようとしている姿勢は偉いなぁと感心。
全く学者に見えない無敵のロック様ことドウェイン・ジョンソンの説明で元特殊部隊という便利設定が出て来たので、まあそれがないと無理だよね…と萎えていたけれど、その元特殊部隊設定がジョージと出会って、今学者やっているという説明になっていたのも感心。
巨大生物を街に来させる為の電波の設定は意味不明だし、その他のSF的な部分は雑多過ぎてはいるものの、ドラマ部分も見せたりと意外とちゃんとしている。

ドウェイン・ジョンソンは変わらずドウェイン・ジョンソンで、別にドウェイン・ジョンソンでなくてもいい役なんだけれど、これだけお金をかけるとなるとやっぱりドウェイン・ジョンソンでないと製作費1億2000万ドルは集まらないんだろうなぁ。

町中を巨大生物が暴れ回るって、古くはストップモーション・アニメーションで作っていた様なハリウッドの怪獣映画の系譜にありつつ、哀しい巨大ゴリラは「キングコング」だし、巨大ワニはゴジラっぽいし、これまでの怪獣映画を詰め込んだ様な映画である一方で、巨大生物が変に謎の怪光線を発射しなかったりと完全な想像上のやりたい放題な怪獣ではないのもハリウッドの怪獣映画の系譜っぽいなぁとも思った。
それにしてもアメリカ人は哀しいゴリラ、人間と友達のゴリラって好きだなぁ。

この映画、安っぽい話をちゃんと大金かけて娯楽大作映画として作り、そこに人間とゴリラのドラマも入れてと、この題材でも真面目に真っ直ぐに作ればおもしろく出来るのだと非常に感心した映画。
変にこねくり回さずにその題材を如何に楽しくするかって大事なんだな。

☆☆☆★★

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