ブラックライダー

2018年08月22日 水曜日

ジョン・カーペンター製作総指揮・原案・脚本、ハーレー・コクリス監督、トミー・リー・ジョーンズ主演の1986年のアメリカ映画「ブラックライダー(Black Moon Rising)」

脱税容疑がかかった企業から脱税の証拠となるテープをFBIからの依頼で盗み出したクイント。
しかし、企業の用心棒に顔を見られて追いかけられた為、偶然通りかった新型スーパーカーにテープを隠した。
その新型スーパーカーを追いかけてテープを取り戻そうとするが、大規模な自動車強盗集団に新型スーパーカーも盗られてしまう。
クイントは新型スーパーカーを追いかけ、盗み出したニーナに近付き、彼女を使って新型スーパーカーを取り戻そうとする。

わたしはトミー・リー・ジョーンズは大好きな俳優の中の一人なので、そこで見てみたらリンダ・ハミルトンが出ているし、ジョン・カーペンターが製作に大きく関わっているしで、意外と見所があった。

展開は、この始まりだと盗み出した企業側の追手からトミー・リー・ジョーンズがスーパーカーを使っての逃走劇になるのかと思いきや、全然関係無い自動車窃盗集団からスーパーカーを盗み出すという方向に変わって、この話が進んで行くと全然違う展開になる変わった脚本がジョン・カーペンターっぽくもあっておもしろいのだけれど、やっぱりジョン・カーペンターが持っているB級感がアリアリで、日本の地上波で午後に放送して来たであろう類の映画。
黒い高速の最新スーパーカーという時点で、アメリカで1982年から1986年まで放送していたテレビドラマ「ナイトライダー」に便乗したっぽい企画だし。
ただ、この映画のスーパーカーのブラック・ムーンは速い自動車っぽいけれど、それを活かす様な場面が余り無く、どちらかと言うと対向車を素早く交わしたり、狭い場所でも機敏に運転出来る等、早いけれど小回りが効くという部分押しで、スーパーカーの飛び抜けた速さを見せるという訳でもない変な演出だし、スーパーカーの活躍は初めと終わり位しかない勿体なさ。題名につけた割に活躍所か登場もしないって何?

話はそこそこで、大して派手な見所も無いのだけれど、わたしにとってはジョン・カーペンター、トミー・リー・ジョーンズ、リンダ・ハミルトンで作っているというのが凄い見所。
トミー・リー・ジョーンズは四十代後半になった1990年代になって作品に恵まれた事もあって遅咲きでスターへと上った役者だけれど、この時はまだ全然ではあったのにジョン・カーペンター関連映画で主演になるとは流石ジョン・カーペンターの見る目があったって事か。

逆にリンダ・ハミルトンは何でこの映画に出ているのかが不思議。
リンダ・ハミルトンは1984年の映画「ターミネーター」で一躍有名になったはずなのに、このB級感溢れる映画に何で出演したんだろう?
リンダ・ハミルトンって、この時期はまだそれ程だったのか、「ターミネーター」がB級ではあった事だからなんだろうか?
この映画と同じ年には、結果コケてしまったけれど大作ではあった映画「キングコング2」に出演しているしなぁ。

この二人の共演を見て、「そう言えば、この二人が有名役者になってから火山映画で共演していたなぁ…」と思っていたら、そんな事実は無かった。
調べたら、トミー・リー・ジョーンズが1997年の映画「ボルケーノ」に。
リンダ・ハミルトンも同じ1997年に映画「ダンテズ・ピーク」に出演していて、この同じ年にどっちも火山の噴火映画に出演したのがゴッチャになってしまっていた事が分かって、自分の記憶の曖昧さと似た様な映画を同じ年にぶつけているハリウッド映画界に笑ってしまった。

この映画、映画としてはそこそこで大しておもしろくはないけれど、トミー・リー・ジョーンズとリンダ・ハミルトンが出ていて、ジョン・カーペンターが製作しているというだけでおもしろかった。
トミー・リー・ジョーンズとリンダ・ハミルトンのキスシーンやベッドシーンがあって、もうこれは映画好きが喜んで見る為だけの映画。

☆☆☆★★

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