G.I.ジョー バック2リベンジ

2024年06月21日 金曜日

ジョン・M・チュウ監督、ドウェイン・ジョンソン主演の2013年のアメリカ映画「G.I.ジョー バック2リベンジ(G.I. Joe: Retaliation)」
G.I.ジョー」に続いてのシリーズ二作目。

前作でアメリカ合衆国大統領に変装して大統領となった敵ザルタンの罠により、G.I.ジョーのチームはロードブロックら三人を残して壊滅してしまった。
大統領となったザルタンはG.I.ジョーが裏切者だと発表し、新たな特殊部隊コブラを設立してアメリカ中枢部を掌握。
コブラコマンダーが復活してコブラが世界を支配しようとするが、大統領が偽物だと気付いたロードブロック達は少ない手勢で偽大統領を倒そうとし始める。

一作目がAmazon プライムビデオで配信が終わりそうだったので見てみたけれど酷い映画で終始つまらなくて続編を見る気が起こらない位だったのだけれど、ちょっと調べてみたらドウェイン・ジョンソンやブルース・ウィリスが出ていると知り、まんまと製作の配役での呼び込み意図に乗っかってしまって見てみたのだけれど、その続編は違う意味で酷い映画でやっぱりつまらなかった。
一作目の続編なはずなのに一作目とは設定が違う部分が結構あり、そこを変えた事で作風も全然違っていて、しかも一作目の主人公だったチャニング・テイタムが早々に退場してドウェイン・ジョンソンが主人公となり、二作目で行き成り主役を取替えたリブートをやってしまっていて最早シリーズが何なのか分からない二作目。

一作目ではG.I.ジョーは何やら世界規模の大規模な秘密組織で、多分NATOが管轄している組織だったのが、この映画では何故かアメリカの特殊部隊に成り下がっていて、多分百人もいない普通のアメリカの部隊になっている。
一作目のG.I.ジョーって世界規模の部隊で、玩具を売る為の悪い意味で漫画的な特殊アーマーや兵器が次々と出て来て派手なアクションや見せ場がまだあり、そこが特徴でもあったのに、この映画ではそれが無くなってG.I.ジョーは普通の特殊部隊でしかなくて至って在り来たりなアクション映画になってしまい、続編である意味が全くなくなってしまっている。
前作の主人公達のG.I.ジョーの部隊員はチャニング・テイタム以外はスネークアイズがこの映画でも出ていたけれど、まだ前のG.I.ジョーの雰囲気ではスネークアイズもありだったのが今作では浮きまくり。
しかも前作から造形も変わってしまっていてスネークアイズも続編の意味が無かった。
何故チャニング・テイタム以外の前作の主人公達のG.I.ジョーの部隊員が出て来ないのか?の理由は一切無いし、あのアーマーや兵器はどうなったのかも出て来ず、続編と言うけれど最早別物。

前作の主役だったチャニング・テイタムは序盤で死んでしまってそれ以降思い出される事も無いし、むしろチャニング・テイタムを出さずにリブートした方がまだまし。
これって、一作目の時から出演陣が映画を批判をしていたみたいで、主演のチャニング・テイタムはこの映画が嫌いだそうで「パラマウントと三作の契約があり、その履行の為に出演を強要された」と言っているみたい(https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-features/channing-tatum-hates-gi-joe-804629/)で、その契約があったから出ただけなので直ぐに退場したのかもしれない。
結局製作しているパラマウントとしては一作目は当たったけれどチャニング・テイタムは嫌がっているし、観客の呼び込みとしてもチャニング・テイタムでは役者としては弱いので、人を呼べるドウェイン・ジョンソンとブルース・ウィリスでリブートしちゃえという発想なんだろうなぁ…。
それだとこの映画でもちゃんと続けて同じ役を演じたイ・ビョンホンは偉いし、顔も声も一切出ないのにスネークアイズを続けて演じたレイ・パークは偉いよなぁ。
だからイ・ビョンホンは突然G.I.ジョー側の正義のヒーローになったのか?
でも、スネークアイズは主軸のドウェイン・ジョンソン達の話とは完全に別班で、スネークアイズを出すから取って付けた様な話で終始どうでもよかったし、イ・ビョンホンの方は一作目で描いていた過去の話は実はザルタンの罠でした…という、まあ酷い話にひっくり返してG.I.ジョーの仲間にしたりと脚本は酷いけれど。

主軸の話も相変わらずどうでもいいつまらない展開で、そもそも前作のG.I.ジョーが裏切者になってしまったならまだ続編での意味もあるけれど、この映画で初めて出て来た新たな人物達が行き成り裏切者展開になっても全く身が入って行かず、続編なのに全然知らない人物達が戦っていてもどうでもいいし、続編もやっぱり脚本がつまらない。

この映画、まだシリーズ二作目の続編なのに一作目を捨ててしまい、シリーズを続けられないと判断されたチャニング・テイタムを切って稼げるドウェイン・ジョンソンでリブートしてしまったという酷い続編映画。
一作目であった悪い意味での漫画的なガジェットやハチャメチャさから違う方向に舵を切ってしまい、続編なのに一作目と方向性が全然違うし、そもそも登場人物達が全く違う続編という訳の分からない映画。
一作目も大分つまらなかったけれど、まだスティーヴン・ソマーズ色が色濃く出ていたと思うとこの続編はそこすら無くなってしまい特徴が失われて何なのか分からなくなってしまっていた。

★★★★★
 
 
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